今、日本で販売されているほとんどのスーツケースは中国製になっている。日本も中国からの脱却を狙って、人件費が安いベトナム等での製造も考えていた企業は多かったけど結局ほとんどは実現出来なかった。なぜか?資源は中国にある、電力の問題、ストライキ。結局は中国で作ったほうがリスクが低いんだ。そんな中、中国のスーツケース工場と日本の今後を自分がリアルを見てきた中でみんなに教えていくね。
日本以外の海外のスーツケースの特徴
中国の工場は日本からの注文を嫌うんだ。なぜか?指示が多い。カラーバリエーションが多い。クオリティーを求めすぎる。それなのに安くしてくれと注文がとにかく多い。それに比べ他の国は黒色のスーツケース同じものを10万台注文。スーツケース自体もめちゃくちゃシンプル。色んな機能はついていない。マジシンプル。工場からしてもめちゃくちゃ作りやすく同じもの、同じカラーを作るんで生産効率も高い。スーツケースは基本、日本から発注をかけて90日程度で完了する。これは工場の規模によるけど、だいたい発注から2~3カ月程度みておくと完成している。この期間が大きく伸びてなかなか作らない、出来上がらない時は上記に書いた欧米とかの別注が入っていてそれを先に作っている時が多いね。工場としてはそっちのほうがお金になるからね。しょうがないと言えばしょうがないけど、中国の納期なんてホントその程度なんだ。こっちが強気に出たら、もう作らない。って言われるだけ。
スーツケースの工場はレーンによって、フレームタイプ、ファスナータイプをわけていて、それに加え、日本輸出用のレーンと日本以外の輸出用のレーンとわけている。日本の品質は厳しいから例えば、ボディに傷が入ってしまった場合、そのスーツケースは中国国内で流通させて販売しているところが多い。気にせず送ってくるところが多いけどね。コンテナで入ってきたら不良品なんて返品するのも大変だし、費用がかかりすぎるからね。コンテナで入ってきたスーツケースのほとんどが不良品の場合は、ほぼ値引きで対応するところが多い。次回発注時に何%かをディスカウントしてインボイスを発行してもらうパターンだね。
しかし、そうなると中国の工場は日本の販売規模は実際そんな大きくないし、中国国内、日本以外への輸出だけで十分利益だせるから日本と取引きするメリットはないんじゃないか?と思うでしょ。そう、実際、日本は品質厳しいし、儲からないから取引しない工場もたくさんあるんだ。ではなぜ、そこまでして日本に輸出している中国の工場が実際にはあるのか?
日本と取引する中国のスーツケース工場のメリット
欧米の注文なら20コンテナ分、同じカラー、同じデザインで発注。日本は4コンテナに違うデザイン、10カラー、部品は特注で取り付け、細部にわたる部品のカラー指示、面倒すぎる!って、中国のスーツケースの社長さんたちは言っていた。でもなぜそれでも日本の企業と取引をするのか聞いたら、メリットはいくつかあって、まず1つ目に工場の技術、クオリティーがあがる。と、言っていた。日本の注文は本当に面倒くさいけど、それをクリアー出来たら工場の技術、スタッフの技術があがると正直に言ってました。もう一つは工場として箔が付く!と言ってた。
中国には数多くのスーツケース工場があり、その中でも日本へ輸出している工場は数少ない。欧米などの注文も日本に輸出している工場なら安心だ。ということで注文してくるところが多いらしい。それはなるほどなーっと思った。
実際、日本で販売されている大手有名なスーツケースメーカーも自社で工場を持っているところは少ないんだ。ほとんど外注で作らせている。その工場は日本に輸出している工場の一部の製造ラインを借りて作っているところがほとんどなんだ。だから、中国国内販売用のスーツケースと、某有名スーツケースメーカーは同じ工場で作られている。ということが当たり前に起きている。違うのは製造ラインだけ。こういう工場は自分は数社しかしらないし、ない。片手で数えるほど。それだけクオリティーが高い工場は少ないんだ。中国製は品質が低い。という考えはもう古くなってきているんだ。間違いではないのはクオリティーが低い工場が多いということだけ。スーツケースリアルタイムランキングはここからチェック出来るよ。
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